めんおうブログ

国家公務員からラーメンベンチャーへ転職した、30代男性の経験と思いと挑戦。時々、本などのブログ

ラーメンに異物を混入させてしまうミスをした。このミスを取り返す方法が見つからない。

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転職してラーメン店で働くようになって2カ月間、数えきれないほどのミスをしてきた。

 

ラーメンの提供先誤り、提供する際のご注文の読み誤り、オーダーの伝え方の誤り、テーブル上の調味料の不足などなど・・・

 

ただ、これらのミスは、誤解を恐れずに言えば、「謝ればすむ」し、「慣れればしなくなる」レベルのミスだと思う。しかし、今日したミスは、謝ればすむ、とは言い難い。

 

 

 

今日は、夜のピークの途中まで麺場(厨房でラーメンを調理する人や厨房自体のこと)を担当した。毎日一時間くらいは担当するようにしていて、少しずコツをつかめてきているのを自分でも感じている。今日の夜は、初めて麺場についたころの自分ならすぐに交代させられていただろう、というくらいの混み具合で、額に汗しながら調理して、必死に店を回していた。回すのが精いっぱいで、おいしさ、とか、丁寧さのようなものは二の次にせざるを得なかった。

 

頭も体もフル回転させて、何とか自分の麺場担当の時間帯(シフトの最後の一時間)を最後までやり切ることができた。そして、程よい疲労感と達成感を感じながらシフトを終え、事務所(兼更衣室)に向かった。

 

 

 

ガヤガヤしている店内とは違って、事務所はずっとつきっぱなしの換気扇のカタカタという音がしているだけだ。そのギャップに心を落ち着けることができる。速く回転しすぎた頭と体のモーターを停止させると、疲労感と達成感が体中に広がってくるのを感じる。その静けさの中、椅子に座り、両脚を投げ出してくつろいでいると、店長がやって来た。

 

店長は、シフト終了後に申し訳ないが、同系列の別店舗に具材を借りに行ってほしい、ということをわたしに伝えに来た。二つ返事で、すぐ行きます、という返事をした。すると、店長は、わたしへの用事が済んで帰ろうとしたが、その帰りがけにわたしのしたミスについて言及した。

 

店長は、「さっき、めんおうが作ったラーメンの中にビニール(麺を包装してあるもの)が入ってたぞ。お客さんが穏やかな人で、作り直しで全然問題なかったけど、気を付けてくれよ。今回は不幸中の幸いだったけどね」と言ったのである。

 

 

 

店長から、当該お客様の席番号を聞くと、わたしが最後にラーメンを作ったお客様だった。作り終えてすぐにシフトが終了したため、そのラーメンへのお客様の反応を確認しなかったので、ビニールについては、店長から初めて聞いた。これまで、ニュースでしか見たことのなかった「異物混入」を自分が引き起こしてしまったのである。

 

今振り返っても、前よりうまく、効率よく調理できるようになったことで気を抜いていたわけではない、と自信を持って言える。しかし、調理の際に混入したビニールがそのままお客様に提供されてしまったという事実は変わらない。いくらわたしが一生懸命、しかも前よりうまく調理できた、と言っても何も変わらない。事実は何よりも重いのである。

 

 

 

店長は、わたしが重く受け止めすぎないように気遣ってくれたのか、「不幸中の幸い」と言ったが、わたし自身は「幸い」という言葉は使ってはいけないもののように思えた。余程、ラーメンの味を気に入っていただいているお客様でなければ、「おいしかった、また来る」とは言っていただけないのではないだろうか。

 

口に合わないもの、ではなく、食べられないものを提供してしまうのは、一番やってはいけないミスだと思う。お客様との出会いは一度限り、だと思っているが、その一度限りの来店で、お客様からの信頼を得られなかった。もしくは、失った。

 

麺の袋を開けるとき、麺をゆでるときやスープに入れて箸を通すときに気をつけるしか今後改善する方法はないが、「そのお客様」に対して「今回してしまったミス」を取り返すことはできない。

 

 

 

この事実は重い。とてつもなく重い。動かしたくても動かせないのである。

 

 

 

今後、同じミスを他のお客様に対して絶対ないようにする、ということで信頼を獲得していく、ということしかわたしにできることはない。ということしか、このミスを取り返す方法が見つからない。